普通のカメからはじめるミズガメ飼育
特集の第一弾として、いわゆる「普通のカメ」の飼育方法について説明します。一般的な飼育方法に個人的な意見を多分に加えているため、間違いのある部分は「お問い合わせ」などから指摘頂ければと思います。
また、以下の方法で飼育して問題が発生した場合、当方では責任を負いかねますので自己責任でお願いします。
ここで紹介した3種いずれかの画像をお持ちの方で、このページに使ってもいいという方がいらっしゃいましたら「写真をのせる(会員登録必要。当然無料です!現在新規会員超募集中!!)」で投稿か「お問い合わせ」からご連絡頂けるとうれしいです(親とベビー、全身移っているものを募集)。
普通のカメとは?
日本の池や川でよく見かける3大カメである、アカミミガメ(ミドリガメ)、クサガメ(ゼニガメ)、二ホンイシガメ(本ゼニガメ)について説明します。また、ミナミイシガメも同じ方法で飼育可能ですが、ここでの説明は省略します。カメの種類によって飼育方法は大きく異なります。他の種類のカメを飼育する場合は参考にしないでください。
アカミミガメ(ミシシッピーアカミミガメ)
お店ではミドリガメという名前で販売されていることが多いです。
外来種なのですが、都会の公園や寺などにある池、堀で見かけるのはほとんどがアカミミガメという程、日本に定着しています。事実上、日本でもっとも普通のカメと言えるのではないでしょうか。夜店の「カメすくい」ですくったカメもおそらく本種でしょう。
3種の中では最も大型になり、メスで甲長20〜25センチ程になります。オスはやや小型で前足の爪が長いです。
販売価格は〜500円程度と破格。毒はありません。
arAraユーザのアカミミガメ
クサガメ
お店ではゼニガメ、キンセンガメ、リーブクサガメなど様々な名前で販売されています。
アカミミガメのいる池などに10匹に1匹くらいの割合で紛れていることが多いです。
アカミミよりやや小型でメスで20センチ強、オスはそれよりもやや小さいです。
販売価格は500円〜とアカミミガメよりも多少高めです。「草ガメ」ではなく「臭ガメ」ですが飼育下で臭い匂いを出すことはほぼありません。
arAraユーザのクサガメ
二ホンイシガメ
昔は本種をゼニガメと呼んでいたようですが、いつの間にかクサガメがゼニガメと呼ばれるようになってしまいました。そのため、本種を「本ゼニガメ」などと呼ぶ場合もあるようです。
前の2種よりやや標高の高い場所の川や池で見かける事が多く、寒さに強く水の汚れにはやや弱い面があります。
クサガメよりもさらに小型でメスで20cm以下、オスは15cm以下くらいです。
価格は1500円くらいとやや高めですが、サイズが小さいため設備は安くすみます。
arAraユーザのニホンイシガメ
「これだけ!」飼育方法
カメを飼う上で細かいコツや方法は色々あるのですが、長くなるので基本をサクッと説明します。ともかく、これだけで飼育は開始できるといえます。
導入
- 水槽など水の入る容器を設置します。
- レンガを入れます。(ガラスの上に落とさないよう注意!)
- レンガの高さよりちょっと浅めに水を入れます。
- カメを入れます。

完成!
日常の管理
- エサは子ガメの場合は1日1から2回、親は2、3日おきに1回、カメの頭の大きさくらいの量を与えます。(市販のミズガメ用のエサなら何でもOKです。)
- 水が汚れたら交換しましょう。
さらに詳しく
続いて、さらに詳しく考えてみます。気になる項目をチェックしましょう。
入手方法は?
入手する方法は色々あります。日本のカメなので野生のものを捕獲することもできますし、お店で買うこともできます。近くにお店が無い場合はネットで通販もできます。
自分で捕獲する場合はお金をかけずに入手できますが、手頃なサイズを見つけられるとは限りませんし、自然で育ったカメは人が繁殖させたものよりやや飼いにくい傾向があります。また、自然保護の観点からも好ましくないと思われます。
ショップで購入するのはお金がかかりますが、店員に色々質問できます。ただし、観賞魚店の店員は間違った説明をすることもあり、爬虫類専門店の店員は余計な機材の購入を勧めてくる場合もあり注意が必要です。
イベントで購入する方法もあります。値段は安めですし、個人ブリーダーから購入すれば、飼育方法について詳しく聞けるためオススメです。ただし、遠方から持ってこられたカメは多少体力が落ちている傾向があり、注意が必要です。また、年数回しか機会が無いので欲しいときにすぐ手に入れることができません。
ネットで通販もできます。値段は安め(安い店を選べる)ですが、販売者の顔が見えなかったり、実物を見て購入できないという問題があります。生き物を輸送することに不安を覚える方もいるかと思いますが、その点に関しては意外と大丈夫です。ただし、真夏と真冬はやや危険なので春、秋くらいに購入するのが良いと思います。また、オークションを利用する場合は出品者の評価をしっかりチェックするようにしましょう。
筆者は過去に上記のすべての方法を利用した事がありますが、個人ブリーダーからの購入が最もオススメであとはどれも一長一短という感じです。使いやすい方法で入手するのが良いかと思います。
次に、どんなカメを選べばいいのか?ですが、特に注意すべきなのは皮膚病です。皮膚に白いモヤモヤしたものや、風呂上りに取った耳垢のようなものがついていたら、皮膚病の危険アリです。また、水に沈めないカメや、目が開かないカメも避けます。あとは、尾が切れていない、噛み合わせが悪くない、指や爪に欠損がない、甲板にズレや傷が無い、甲羅の形が歪でない等が見るべきポイントです。尾、指、甲の欠けや甲板のズレについては健康上は問題ない場合もありますが、あえて選ぶ必要もないと思います。(B品として価格が安くなっている場合は財布と相談ですが、爪欠け、尾先チョイ切れ、甲板ズレまでなら筆者は購入してもいいと思います。ただし、切れた尾の先が充血していたり、白いモヤモヤがついていたりする場合は購入しない方が良いです)
あとは一匹だけ何か変な個体も買わない方が安全です。(泳ぎ方にクセがあったり、1匹だけ離れたところに居たり、等)
飼育に必要なものは?
最低限必要なものはケージ(水槽など)と陸地とエサです。全身が浸かる水場と全身が乾かせる陸場が必要です。それ以外はお好みです。
ケージは屋内飼育の場合は水槽が良いです。60センチ水槽が最もコストパフォーマンスが良いですが、まずは中〜大サイズのプラケースでも十分です。
陸場はレンガがオススメです。レンガは適度に水質浄化してくれます。石は不安定な状態で置くとカメが挟まる危険がありますし、石の種類によっては水質に影響を与えるものもあります。カメ用の浮き島などは特に購入する必要はありません。
エサはカメのエサと書いてあるものなら大抵は食べるので手頃なものを選ぶと良いと思います。
塩素中和剤は水道水がマズイ地域の人は購入した方が良いでしょう。浄水器がついているなら不要です。
砂利は無い方がよいです。
フィルターは入れた方が水も長持ちします。ただし、狭いケージでフィルターを回すとカメが水流に負けてしまう可能性もあるため、子ガメをプラケースで飼育する場合は無しでいいと思います。
ライトについて店員が購入を勧めてくるかもしれません。窓辺に水槽を置けるのであればライトは不要と考えます。(10年くらい飼っていますが無しで大丈夫でした。)
冬場に飼育を開始する場合はヒーターは必須です。お店で保温されていた状態から一気に寒い場所に移動すると命に関わります。
水槽のレイアウトを考える
基本は水槽に水を入れ、陸場を設けるだけです。水深はカメの甲羅の高さよりは深く、カメが首を伸ばして息が吸えるギリギリの高さよりは低くします。カメが環境に慣れたらもう少し深くしてもかまいません。
水槽は明るい場所に置くのが良いですが、太陽光が当たる場合は日陰になる場所を作りカメが隠れられるようにします。温度が上がりすぎる場所には置かないようにします。ケージが小さい場合は熱くならないよう特に注意が必要です。
過密飼育は怪我や病気の原因になります。カメの数は1〜3匹くらいとします。2匹の場合は45センチ、3匹の場合は60センチくらいの水槽を使います(子ガメの場合)。
大人になった場合、オス1匹なら60センチ水槽で飼育可能ですが、複数飼育する場合は90センチくらいの水槽が必要です。
飼育開始直後の注意点
飼育開始から最初の1月くらいは普通の飼育をしない方がいいです。定温に強い、紫外線が必要、エサは控えめに与える、栄養バランスを考えてエサを与える、断食して餌付けする、など飼育書には色々書いてあるかもしれませんが、やってはいけません。
温度は25から30度くらい、直射日光は避け、食べるエサならなんでもかまわないのでたっぷり与えます。こうして体力を回復した後に、徐々に普通の飼育に切り替えていきます。(近所のブリーダーの家から直接もらって来た場合などはいきなり普通の飼育でも問題ないと思います)
エサについて考える
ペットショップで売っているカメの餌をメインに、あとは食べるものをおやつ程度に与えます。雑食なのでほとんど何でも食べます。うちのニホンイシガメの場合ですが、葉野菜や果物、タンポポなどの野草、鶏肉、牛ハツ、刺身など魚の切り身、金魚、メダカ、ドジョウなどの活魚、ハエやバッタなどの昆虫、炊いた米や茹でた麺、パン、ソーセージなどなど、塩分の多いものや毒性のあるもの以外はなんでも与えています。大型熱帯魚のエサやディスカスハンバーグもエサとして使えます。多分、ドッグフードやキャットフードも食べると思います。ただし、栄養バランスの問題などもあるため、市販のカメの餌を中心に他はおやつ程度に与えます。市販のエサは色々なものが販売されていますが、それほど大きな差は無いため、使いやすそうなものを使えば問題ありません。
中にはなかなかエサを食べない頑固なカメもいますが、ここで紹介した種類のカメではまず問題ないと思います。
紫外線について考える
紫外線についてですが、まず、高価な爬虫類用ライトは必要ないと思います。水、餌、温度、陸場(甲羅を乾かす)の順に重要で紫外線は「まぁ、無いよりは」という程度です。紫外線が不足すると目が開かなくなるとか、甲羅が柔らかくなって死んでしまうという話もありますが、干からびたり、餓死したり、急な温度変化で体調を崩したり、日光浴中に熱中症になったり、皮膚病になったり、という事に比べれるとレアケースです。
とは言え1日中暗いと体に良くないのは人間も同じことで、窓の近くに水槽を置いたり、天気のいい日は外で甲羅干しさせたりした方が良いです(ただし、高温や脱走に十分注意してください)
はじめての冬眠
冬眠についてですが、基本的に何もしないでOKです。気温が下がってくるとエサを食べなくなり、さらに温度が下がれば自然に冬眠に入ります。ポイントは次の通り。
- 夏から秋にかけて餌を多目に与える
- エサを食べなくなったら一度水槽の水を全部換える
- 水位はカメの甲羅の高さの2から3倍。蒸発したら水槽と同じ温度の水を足す
- 冬眠は水中でさせたほうが良い
- コケで緑になっている水の方が良いかも
- 冬眠中はそっとしておく
以上、特に落ち葉などを入れる必要はありません。むしろ入れない方がいいです。
また、生後1、2年の間はカメ用のヒーターを入れて保温した方が安全です。春先に購入したのならまだいいですが、秋に買った子ガメは体力的に安定していないため保温してください。当然ながら、冬に買ったカメをいきなり冬眠させるのも危険なので冬に買った場合は潔くヒーターを買ってください。

